皆さん、自分のお腹が「ギュウー」って鳴ったり、周りの人のお腹が「ゴロゴロ」鳴ったりするのを聞いたこと、ありますよね。そんな時、「あ、お腹すいたかな?」って思いますか?
実はお腹が鳴るのは、「お腹がすいた」場合だけじゃないんですよ。もしかしたら、大事な病気が隠れていることもあるんです。今回は、そんな「お腹の音」について、詳しくお話ししていきますね。
お腹の音って、どうして鳴るの?
私たちのお腹の音は、胃や腸の中を食べ物やガスが通る時に発生するんです。自分のお腹に耳を近づけるのはちょっと難しいかもしれないけど、試してみると、中で音が聞こえますよ。この音が大きくなった時が、いわゆる「お腹が鳴る」っていう現象なんです。
お腹がすいて胃や腸の中に食べ物がない時に、胃や腸がいつもより活発に動くと、「お腹が鳴る」ことがあります。でも、お腹が鳴るのは、これだけが理由じゃないんですね。
食べ方や食べ物の種類にも注意が必要かも
食べるのが早い人って、お腹が鳴りやすいって言われています。早食いすると、空気をたくさん飲み込んじゃうからなんです。その空気がゲップで出なかった場合、腸の中を流れて大きな音を出すことがあるんですよ。
炭酸飲料をたくさん飲む人も同じような理由で音が鳴りやすいみたい。それに、食物繊維が多かったり、油っこい食べ物をたくさん摂ると、腸の中で固形物が発酵してガスが発生することがあるんです。このガスが動く時に、大きな音が出ることがありますよ。
隠れた病気に要注意!こんな症状があったら病院へ
お腹が鳴る時に特に気をつけてほしいのは、お腹の音以外にも症状がある場合です。もし、腹痛があったり、下痢や便秘などお通じの異常、吐き気がある場合は、一度病院を受診することを考えてみてくださいね。
例えば、胃や腸に炎症が起きていると、消化の力が落ちて食べ物が流れにくくなったり、いつもと違うガスが発生したりすることもあるんです。また、腫瘍ができていたり、腸閉塞になったりした場合も、食べ物やガスの通りが悪くなって、大きな音が出ることがあります。
それから、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人は、「乳糖不耐症」といって、牛乳の成分をうまく分解できない体質の場合もあるそうですよ。
ストレスも原因になるって知ってた?
腸は「第2の脳」って言われるくらい、私たちの体にとって大切な場所なんです。ストレスを受けたり、疲れがたまったりすると、脳だけじゃなく、腸の働きにも影響が出ちゃうことがあります。そうすると、「過敏性腸症候群」といって、お腹が鳴ることも含めて、色々な症状が出ることがあるんです。この場合は、お腹の症状だけでなく、体全体を診てもらう治療が必要になることもありますよ。
気になることがあれば、お気軽に相談してくださいね
ここまで、「お腹が鳴る時に考える必要があること」についてお話ししてきました。もし、今回説明した内容で気になることがあったり、お腹の調子がいつもと違うなと感じたりしたら、一度、病院を受診してみるのが良いかもしれませんね。
杏林会 八木病院 消化器科 西田 靖仙