ハイドロリリース注射について
ハイドロリリースとは(超音波検査)の進歩により、筋肉の間に麻酔薬を注射すると予想以上の効果を得られたのは偶然による発見でした。比較的新しい治療です。
生理食塩水と呼ばれる人体に使える水や薬液を用いて、超音波検査機を見ながら痛みに対して神経周囲の結合組織という微細な領域をターゲットに治療を行うのがハイドロリリースと言われています。超音波ガイド下に生理食塩水を注射し結合組織を液性剝離すること(リリース)で痛みを軽減するため、対象となる疾患は、肩こりや尺骨神経痛、腰痛、大後頭神経を原因とする頭痛など多岐にわたり、保険の適応もあり手技自体は安全なものと考えられています。
方法
診察時の姿勢は注射ポイントにより異なります仰向けやうつ伏せの姿勢をとります。
超音波検査機を用いて画面上での観察を行いながら、神経周囲に注射を行います。生理食塩水での注射に加えてステロイドを併せて使用する場合もあり、炎症を和らげる効果を期待しています。
注射に伴う危険・合併症
・整理食塩水、薬剤によるショック:造影剤はごく少量であり、安全な薬剤(キシロカイン・ケナコルト・ポプスカインなど)ですがまれにショックを生じることが報告されています。
・神経麻痺:神経の狭窄部位に対して痺れや麻痺を生じているところへ薬液を注入することにより圧迫を生じたり、血腫、痺れや麻痺を生じることがあります。ほとんどの場合は自然に改善しますが、改善が思わしくない場合は手術が必要になることがあります。
・その他予期できない危険:脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症、感染、転倒、打撲など万が一そのような事態が生じた場合は、専門医と連携し最善の治療にあたります。
保険適用について
※初回のハイドロリリース(筋膜リリース注射)は健康保険(局所麻酔剤併用)・自賠責保険による診療で行うことが出来ます。
部位によって、1度でハイドロリリースを1~3箇所に打ちます。
2回目のハイドロリリースは状況によって月に1回は健康保険が使える場合があります。
自賠責保険には毎回診察時にハイドロリリースが複数カ所に可能です。 基本的に労災保険ではハイドロリリースは受ける事ができません。